だんらんエピソード(ブログ)
2020.11.26
novembro(11月)
秋は夕暮れ。
夕日の差して山の端いと近うなりたるに、
烏の寝所へ行くとて、
三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいて雁などの連ねたるが、
いと小さく見ゆるは、
いとをかし。
日入り果てて、
風の音、
虫の音など、
はた言ふべきにあらず。
枕草子の一節です。
昭和生まれの方なら、なんとなく覚えていますよね。
私も中学生の時に暗記させられたような気がします。(笑)
当時は嫌いな国語の授業。
しかも暗記しなければならないというだけで、中身のことなどそっちのけでした。
今は何となく風景が目に浮かびます。(笑)
40を過ぎてようやく「枕草子」の良さが分かるようになってきました。(涙)
秋は紅葉のイメージがありますが、綺麗な花が咲きます。
・ツワブキの花
・サザンカの花
・ソバの花
四季を通して花を愛でることのできる幸せ。
日本だからこそです。
さて、冒頭の「枕草子」を清少納言が書いたとされるのが、今より1000年ほど前。
私の暮らす町にはまだ、そのような風景が沢山残っています。
なんと素晴らしいことか。
私共の家づくりは「こういうことなのだな。」と改めて納得させられます。
「四季があり、一家だんらんがあり、それを包み込む家がある。」
そしてそれに感動できる日常が普通にあるのです。
今の時代、技術革新によりハイスペックであったり、ものすごくデザイン性に富んだお家など多種多様です。
決して、そのような家づくりが悪いというわけではありません。
しかし私たちは、1000年前の日本人が見た素敵な風景に、今もなお共感を覚えます。
良いものは何年たっても良い。
理屈じゃありません。
それは、私たちが日本人だから。
私たちの血液に脈々と受け継がれてきたものだから。
そんな素敵な日本人としての「文化」や「価値観」を大切にした、モノづくりに私は携わりたい。
そう思うのです。
これからも「だんらんホーム」はそうありたいと願っています。
だんらんホーム
大黒柱 石谷吾一
